Synthesizer V Studio 1.9.0b2 アップデート
本日Synthesizer V Studio 1.9.0b2をリリースしました。
このアップデートは4月18日にリリースした1.9.0b1バージョンに続く2度目のベータ版アップデートで、主にリリース後にユーザーから寄せられたフィードバックを反映させ、マニュアル、歌唱、ラップのピッチモードに関連するUI要素の見直し、また、ピッチモデルのラップのパラメータに対する応答性の向上を行っています。
なお、最終リリースまでにさらに変更・改良が行われる可能性があることに注意してください。
Synthesizer V Studio 1.9.0b2は、文末のリンクからダウンロードできます。また、ピッチモデルの改善をお試しいただくには、最新のベータバージョンの歌声データベースも同様にダウンロードしてください。
ピッチモードのユーザーインターフェイスを改善
前回のベータ版(1.9.0b1)では、マニュアル、歌唱、ラップモードのノートにそれぞれ色を割り当てていましたが、
ユーザーからのフィードバックにより、マニュアルノートに割り当てられた青色がピッチカーブとのコントラストが低く、使い勝手に問題があることがわかりました。
そこで、今回、それらを解決する重要な機能強化を実施しています。
マニュアルモードに新たな色を割り当てる代わりに、ノートの端に小さなマーカーを導入しました。
これにより見た目の複雑さを軽減し、過去のプロジェクトを開いた時にも受け入れやすいインターフェースに変更しました。
さらに、マニュアルモードは歌唱/ラップモードから独立し、個別にオン・オフを切り替えられるようになりました。これにより、ラップノートにマニュアルモードを適用することが可能になります。
新しい機能が追加されたわけではありませんが、この新たなモードの組み合わせは、ピッチを「固定」するのがより容易になり、AIのピッチモデルが誤ってピッチを上書きするのを防ぐことができます。
マニュアル/歌唱モード切り替えのカスタマイズオプション
1.9.0b2バージョンでは、マニュアルと歌唱(オート)モード間を切り替えた時の動きをカスタマイズできるようになりました。
1.9.0b1はマニュアルから歌唱モードへ切り替えた際に、ユーザーが描いたノートのピッチカーブをリセットし、
それをAIが生成したピッチで置き換えていましたが、1.9.0より前のバージョンで“簡易ピッチモード”を使用していたユーザーの期待に合いませんでした。
これを解決するために新しいバージョンでは、歌唱モードに移行してもユーザーが描いたピッチを保持するオプションを追加しています。
これにより、簡易ピッチモードを利用していた以前のバージョンとの整合性が保たれ、ピッチ修正におけるユーザーエクスペリエンスを向上しました。
ラップパラメータへの応答性向上
ユーザーインターフェイスの改善とは別に、ピッチモデルを支える私たちのコアテクノロジーも改良しています。
このアップデートにより、ユーザーが変更したラップのトーンやイントネーションのパラメーターをよりダイレクトに反映できるようになり、シームレスで自然な出力が可能になりました。
新機能へのアクセス方法
Synthesizer V Studioと歌声データベースのベータ版は、別々にリリースされます。
Synthesizer V Studio 1.9.0b2について
1.9.0b2はベータ版です。ベータ版では、Synthesizer V Studioに実装予定の新機能をいち早くご試用いただくことができます。本バージョンのご利用を開始する前に、以下の点についてご理解ください。
- 本バージョンは開発途中であることをご理解の上ご利用ください。
- 本バージョンは環境などにより正しく機能しない可能性があります。
- 本プログラムのご利用に際し、予期せぬ不具合が発生する可能性がありますので予めご了承ください。
Synthesizer V Studio 1.9.0b2はこちらからダウンロードできます。
Synthesizer V Studio 1.9.0b2における歌声データベースのアップデートについて
今回のベータ版リリースには広範囲な変更が含まれるため、まずはDreamtonics社製の歌声データベースを対象としたベータ版アップデートを提供します。
An Xiao(アン・シャオ)、Cheng Xiao、Cong Zheng、Feng Yi(フォン・イー)、Kevin、Mai、Mo Chen(モー・チェン)、Natalie、Ninezero、Ryo AI、Saki AI、Qing Su(チン・スー)、Weina、Xuan Yu、Yuma、D-Lin (FLT)、Ritchy (FLT)
他社製品のアップデートについては、後日発表予定です。
それぞれの歌声データベースはこちらからダウンロードできます。
Ritchy、D-Linの機能限定版は、こちらからダウンロードできます。
詳しいリリースノートは以下をご覧ください。
Synthesizer V Studio 1.9.0b2 (2023年5月23日)
新機能
- 自動処理:ラップ歌唱に対応しました(現時点では英語と中国語のみ)。AIピッチ生成モデルを更新し、歌唱を制御するオプションも追加しました。(ラップ対応の歌声データベースが必要です)
- Synthesizer V エンジン:広東語のサポートを追加しました(歌声データベースの更新が必要です)。
- ノートプロパティパネル:アクセント(中国語のみ)、ラップノートのイントネーション、トーンを追加しました。
- ノートプロパティパネル:歌唱モード選択時にノートの「ビブラートの強度」が調整できるようになりました。(Pro版のみ)。
- パラメータパネル:「ラップイントネーション」を編集、表示できるようになりました。
- 歌声パネル:「ビブラートの強度」のデフォルト値と「アタック・リリースの自動調整」の有効、無効を追加できるようにしました(Pro版のみ)。
機能強化
- ノートプロパティパネル:プロジェクト全体で動作していた簡易ピッチモードをノートプロパティの「ピッチモード」のオプションとして再設計し、より細かく調整できるようになりました。
- パラメータパネル:「ビブラートエンベロープ」パラメータがAI生成ピッチにも適用されるようになりました(Pro版のみ)。
- Synthesizer V エンジン:多言語歌声合成の発音を改善しました(歌声データベースの更新が必要です)。
- 設定パネル: 歌唱モードとマニュアルモード間で切り替えるときの動作(ピッチカーブを保持またはリセット)に対するオプションを追加しました(1.9.0b1から変更)。
- ピアノロール: マニュアルモード下でのノートのデザインを改訂しました(1.9.0b1から変更)。
- ノートプロパティパネル: ピッチモード変更ボタンのデザインを改訂しました(1.9.0b1から変更)。
- 自動処理: 非常に高いまたは低いピッチにおけるピッチの精度を改良しました(1.9.0b1から変更)。
- スクリプト: ラップとノート単位の言語設定に関連する機能関するスクリプトの関数を追加しました(1.9.0b1から変更)。
動作変更
- プラグイン:ピアノロールでキーボードを押した際の音を現在のトラックに対応するチャンネルでのみ再生するようになりました。
- ファイル: バージョン1.8.1以前のプロジェクトを読み込み、ノートのピッチモードを再設定する際に、プロジェクトの簡易ピッチモードのステータスに従うように変更しました(1.9.0b1からの更新)。
- ファイル: 外部フォーマットからインポートするときには、デフォルトのピッチモードに基づいてピッチモード(歌唱またはマニュアル)を設定します(1.9.0b1からの更新)。
バグ修正
- 自動処理:簡易ピッチモードでテンポを編集した後にピッチが再計算されないバグを修正しました(現在は「歌唱」モードで対応)。
- レンダリングパネル:バウンス時に僅かにオーディオトラックのタイミングがズレる不具合を修正しました。
- トラック:新しく作成されたトラックの名前がUIの表示言語に応じて翻訳されないバグを修正しました。
- パラメータパネル: コントロールポイントのコピーペースト動作に関連するさまざまな問題を修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- プラグイン: MIDIキーボードからのプレビューサウンドが常にマスターアウトプットに入り、トラック自体のチャネルには入らないバグを修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- ライセンスとアップデートパネル: 歌声データベースをインストールした直後にライセンスとアップデートパネルを閉じるとクラッシュする問題を修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- 自動処理: x86プロセッサ上でビブラートの強度を0に下げるとその効果が最大に戻ってしまうバグを修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- 言語学: 広東語の語彙に偶然空の音素が現れる問題を修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- パラメータパネル: Linuxでボーカルスタイルパラメータを選択するとクラッシュする問題を修正しました(1.9.0b1からの更新)。
- スクリプト: macOSでのプラグインとして実行時にLogic Proとの互換性を損なう一部のJavascript機能を無効にしました(1.9.0b1からの更新)。