Synthesizer V Studio 1.8.0b1 アップデート
DreamtonicsはSynthesizer V Studio 1.8.0b1を公開しました。
Synthesizer V Studio の次期バージョンである1.8.0には広範囲な変更が含まれるため、正式バージョンの公開に先立って、ベータ版の1.8.0b1をリリースいたします。
このアップデートでは既存技術を大きく進化させた高速なDiffusion Probabilistic Models(DPM)に基づく歌唱合成技術の導入、および、数々の機能や改善点を追加しました。
1.8.0b1では、MIDIキーボードとメトロノームが使えるようになります。加えて、多言語歌唱合成機能が強化され、ノートごとに言語が切り替えられるようになりました。
また、記事内のリストから、歌声データベースを個別でアップデートすることで、ユーザーの皆様にはいち早く新しいエンジンをお試しいただけます。
さらに、10月27日にデモ曲を公開した新しい歌声データベース「Synthesizer V AI Mai」がSynthesizer V Studio Pro版を購入されたユーザーは追加料金なしでご利用できることをお知らせいたします。
Diffusion Probabilistic Models (DPM)
Synthesizer V Studio 1.8.0b1 は、今までの歌唱合成エンジンを大きく進化させたDiffusion Probabilistic Models(DPM)ベースの歌声合成技術に対応しました。
- 画像生成AIにおいて、DPMs(Diffusion Modelsと称されることもある)が使用されています。Dreamtonics は、安定性と効率性といういくつかの技術的課題を克服することで、Synthesizer V Studioの歌唱合成技術に応用しました。
- 新しいDPMベースの合成エンジンは、これまで以上に自然な発音とニュアンスの再現、ビブラートを中心とした正確な音程を実現します。
- Synthesizer V Studio 1.8.0b1では、卓越した人間らしさを実現しています。Dreamtonicsは、研究段階において、新技術および前世代を人間のパフォーマンスと比較するために、広範囲にわたるリスニングテストを実施しました。声色(timbre)の生成能力を評価するために行われた20名の参加者によるテストでは、前世代モデルから統計的に有意な改善が見られました。また、同テストでは、DPMでレンダリングされた歌声と人間の演奏との間に、統計的に有意な差は見られませんでした。
注:新しい歌唱合成エンジンを使用するには、ユーザーは歌声データベースをアップデートする必要があります(下記の”歌声データベースの1.8.0b1向けアップデート”を参照)。
歌声データベースの1.8.0b1向けアップデート
Synthesizer V Studio 1.8.0b1を使って、DPM機能をお試しいただくには、1.8.0b向けのベータ版が公開されている歌声データベースを直接リンクからダウンロードし、インストールする必要があります。
更新予定の歌声データベース
Dreamtonics | An Xiao, Feng Yi, Kevin, Mo Chen, Natalie, Ryo AI, Saki AI, Qing Su, Weina, Yuma |
AHS | 小春六花 AI, 夏色花梨 AI, 花隈千冬 AI, 弦巻マキ AI (JPN), 弦巻マキ AI (ENG), 京町セイカ AI, ついなちゃん AI |
AUDIOLOGIE | 杏里 |
Eclipsed Sounds | SOLARIA |
Quadimension | MEDIUM5-星塵 |
Animen | Eleanor Forte AI |
1.8.0b1向けの歌声データベースはダウンロードページよりダウンロードしてください。
※正式版のリリースに伴い、ベータ版の公開は終了いたしました。
MIDIキーボードとメトロノームに対応
Synthesizer V StudioにUSB MIDIキーボードを接続し(Pro版のみ対応)、録音ボタンをクリックすることでリアルタイムに音符を入力することができるようになりました。
- リアルタイム入力時にビートに合わせて入力するためのメトロノーム・オプションを搭載しています。
- 一部のMIDI入力デバイスでサポートされているMIDIマシンコントロール(MMC)にも対応しており、MIDI入力デバイスのの再生/一時停止/録音ボタンから、Synthesizer V Studio をコントロールすることが可能です。
- MIDIキーボードから入力された音をきれいに配置する「スマートクォンタイズ」機能を新たに搭載。
ノートごとの多言語歌声合成に対応
この機能により、多言語の歌詞を持つ楽曲をトラックやグループを分けることなくスムーズに歌えるようになりました。ノートの言語は、ノートプロパティパネルの言語セクションで設定することができます。
シンセサイザーV AI Maiが登場、Proユーザーは無料で利用可能
Dreamtonicsは、Synthesizer V Studio Proユーザー向けに、Synthesizer V AI Maiを無償でリリースします。MaiはDreamtonicsの他の歌声データベースと同じライセンス条件が適用されるため、Maiを使って作成した作品の商用利用に制限はありません。
Maiのインストーラーは、こちらからダウンロードできます。
Synthesizer V Studio 製品ページをリニューアル
Synthesizer V Studio の機能や歌声データベースを紹介する「Synthesizer V Studio」製品ページをリニューアルしました。
Synthesizer V Studio 1.8.0b1のダウンロード
1.8.0b1 はベータ版です。Synthesizer V Studioのベータ版は、新機能の早期プレビューのために、最終リリース前に提供されます。ベータ版をインストールし、使用する前に、以下の点をご理解ください。
- 本バージョンは開発途中であることをご理解の上ご利用ください。
- 本バージョンは環境などにより正しく機能しない可能性があります。
- 本プログラムのご利用に際し、予期せぬ不具合が発生する可能性がありますので予めご了承ください。
ダウンロード
Synthesizer V Studio Pro
- Windows: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-pro-setup.exe
- Linux: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-pro-linux64.zip
- macOS: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-pro-setup.pkg
Synthesizer V Studio Basic
- Windows: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-basic-setup.exe
- Linux: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-basic-linux64.zip
- macOS: https://download.dreamtonics.com/svstudio/1.8.0b1-EJ7TAjeC4kQkRABY9Pkj/svstudio-basic-setup.pkg
詳しいリリースノートは以下をご覧ください
Synthesizer V Studio 1.8.0b1 (2022年11月10日)
新機能
- エンジン: Diffusion Probabilistic Models(DPM)ベースの歌唱合成に対応。
- ピアノロール: リアルタイムのMIDI入力に対応。(MIDIキーボードが必要, Pro版のみ)
- ピアノロール: MIDI マシンコントロール(再生、停止、録音、早送り、早戻し)に対応。(Pro版のみ)
- ピアノロール: メトロノームを追加。(Pro版のみ)
- ノートプロパティ: ノートごとの多言語歌唱機能を追加。(Pro版のみ)
- 修正メニュー: 修正メニューに「スマートクォンタイズ」を追加。
機能強化
- GUI: ダイアログデザインを更新。
- ピアノロール: ノートのドラッグ動作を調整し、誤クリックを防止。
- AI リテイク: AIリテイクの表現力スライダーのUI調整
- ファイル: 「名前をつけて保存」のデフォルト名をプロジェクト名に変更。
バグ修正
- ファイル: UnicodeのMIDIファイルを読み込むと、歌詞が破損する不具合を修正。
- 自動処理: 簡易ピッチモードが処理を終了する前にプロジェクトを切り替えるとクラッシュする不具合を修正。
- エンジン: ラウドネスパラメータが最小に設定されているときに、ボイスが完全にミュートされない不具合を修正。
その他
- 32-bit Windowsを動作サポートの対象外としました。