Synthesizer V Studio 1.11.0b1 アップデート
Synthesizer V Studio 1.11.0b1のアップデートをリリースいたしました。
今回のアップデート(ベータ版)では、ARAプラグイン導入、ボーカルMIDI変換機能の追加など、ワークフローを向上させ、効率よく音楽制作を行っていただける機能を搭載いたしました。
まずは、ARAプラグインの導入です。ARAを通して、Synthesizer V StudioはDAWのプレイバックをコントロールし、テンポの変化をシームレスに同期させ、さらにDAW内のオーディオクリップとノートグループをリンクさせることができるようになりました。
さらに、今回のアップデートではボーカルMIDI変換機能が追加されました。譜面の入力が大幅に簡素化され、既存のボーカルトラックにハーモニーやダブルを重ねるなどの作業がより効率よく行えるようになりました。
また、本日Eclipsed Sounds社から発売されるSynthesizer V対応の歌声合成データベース「SAROS」のベータ版に、試験的にスペイン語に対応いたしました。
今後Dreamtonicsオリジナル歌声データベースでの多言語機能に、スペイン語対応も予定しております。ぜひ続報をお待ちください。
これらの機能の詳細、チュートリアル、またベータ版のインストローラーは、こちらのページ内にある各項目のリンクよりダウンロードいただけます。
ARA2 によるDAWとの連携
今回のアップデートにより、ARA2に対応できるようになりました。ARA(Audio Random Access)はCelemony社とPreSonus社によって開発された規格で、現在では多くのDAWで標準となっており、プラグインとDAW間のデータのやりとりや連携を強化します。
ARA2により、Synthesizer V StudioはDAWと一体化したより高度な操作を実現しました。DAWのオーディオクリップはノートグループとしてSynthesizer V Studioにマッピングでき、DAWでのクリップの移動、長さの変更、分割などが自動的に反映されます。
さらに、プラグインはホストの再生やループの状態をコントロールし、DAW側のテンポ変更に追従するようになりました。これにより、ボーカルの編集は作編曲の一部として合理化され、より効率的で直感的な編集が可能になります。
Synthesizer V StudioのARA2プラグインは、既存のVST3およびAudioUnitインストゥルメントと同様に、追加プラグインとしてインストールされます。
互換性はDAWとそのバージョンによって異なります。一部のARA機能のみをサポートしているDAWの場合、ARAプラグインはブリッジモードで動作し、主に再生とテンポ同期を行ないます。
高位の ARA 機能 | ARA ブリッジモード | |
Studio One 5/6 | 使用可 | 使用可 |
Cubase 12/13 | 使用可 | 使用可 |
Reaper 6 | 使用可 | 使用可 |
Logic Pro (Rosetta/x86) | 非対応 | 使用可 |
Logic Pro (Apple Silicon) | 非対応 | 非対応 |
ARA プラグインと ARA Bridge の導入と使用方法の詳細については、こちらのチュートリアルをご確認ください: https://dreamtonics.com/synthv/help-ara-ja
ボーカルMIDI変換
また1.11.0b1アップデートでは、革新的なボーカルMIDI変換機能が追加されました。インポートしたオーディオを、右クリックすることで使用できます。
この機能ではソロボーカル音声から音符を抽出し、譜面の入力プロセスを大幅に効率化します。
さらに、ボーカルMIDI変換機能には歌詞を解析するオプションがございます。
このオプションでは、文章としての歌詞ではなく、音声的な発音に重点を置いた機能となっております。
ARAモードでは、リンクしているオーディオクリップをDAWから直接取り込み、ノートグループに変換することが可能です。
この機能は特に、録音したボーカルからハーモニートラックを作成する際などに非常に役立ち、DAWの中でワークフローを完結できるようになります。
試験的なスペイン語の対応
Eclipsed Sounds社から発売されるSynthesizer V対応の歌声合成データベース「SAROS」のベータ版が、試験的にスペイン語に対応いたしました。
本バージョンのスペイン語対応は試験的なものであり、開発中であることをご理解ください。スペイン語の発音の改良につきましては、今後のアップデートや仕様変更等、続報をお待ちください。
また、今後Dreamtonicsオリジナル歌声データベースでの多言語機能に、スペイン語対応も予定しております。
新機能へのアクセス方法
Synthesizer V Studioと歌声データベースのベータ版は、別々にリリースされます。
Synthesizer V Studio 1.11.0b1について
1.11.0b1はベータ版です。ベータ版では、Synthesizer V Studioに実装予定の新機能をいち早くご試用いただくことができます。本バージョンのご利用を開始する前に、以下の点についてご理解ください。
- 本バージョンは開発途中であることをご理解の上ご利用ください。
- 本バージョンは環境などにより正しく機能しない可能性があります。
- 本プログラムのご利用に際し、予期せぬ不具合が発生する可能性がありますので予めご了承ください。
Synthesizer V Studio 1.11.0b1はこちらからダウンロードできます。
Synthesizer V Studio 1.11.0b1向けベータ版歌声データベースのアップデート
本日、下記リストのベータ版アップデータを公開いたしました。
株式会社AHS(TOKYO6 ENTERTAINMENT)が提供する歌声データベースの今回のアップデートではパートナー企業のご要望により、RLHFによるピッチの補正がデフォルトではオフに設定されています。
Eclipsed Sounds | SAROS |
株式会社 AHS (TOKYO6) | 小春六花 AI, 夏色花梨 AI, 花隈千冬 AI |
それぞれの歌声データベースはこちらからダウンロードできます。
詳しいリリースノートは以下をご覧ください。
Synthesizer V Studio 1.11.0b1 (2023年11月24日)
新機能
- プラグイン:ARAプラグインに対応しました。(Pro版のみ)
- Cubase、Studio One、ReaperではDAWと一体化したより高度なARA機能が使用できます(VST版のみ)
- ARA 2に対応しているその他のDAWでは、ARAブリッジ機能が使用できます。
- 自動処理:オーディオトラックでのボーカルMIDI変換機能を追加しました。(Pro版のみ)
- Synthesizer V エンジン:スペイン語が使用できるようになりました *。
機能強化
- トラック:ノートグループ・オーディオグループの両端をドラッグして長さを変更できるようになりました。
- パラメータパネル:トラックの歌声データベースを変更したあと、使用できなくなったボーカルスタイルをパラメータパネルから削除できるようになりました。
- 歌詞入力:中国語標準語の発音辞書を更新しました。
バグ修正
- 歌詞入力: 歌詞に“っ”のみが含まれる日本語のノートでの音素変換の不具合を修正しました。
* 現時点では、SAROSのベータ版のみスペイン語をサポートしています。その他の歌声データベースについては後日アップデートをリリースする予定です。