Synthesizer V Studio 1.10.0 正式版アップデート
「Synthesizer V Studio 1.10.0」の正式版をリリースしました。
今回のアップデートは、2023年8月以降に発表したベータ版の正式版となります。
Synthesizer V Studio 1.10.0はベータ版からの最終リリースとなります。正式版では、ベータ版ユーザーの皆さまからいただいたフィードバックを元に、不具合の修正、また新機能を搭載いたしました。RLHF(ヒューマンフィードバックによる強化学習)の歌声合成への対応を試みたベータ版から、今回のアップデートで正式にオプションとして搭載しております。
Synthesizer V Studio 1.9.0からの変更点、アップデート内容
- RLHFによるピッチ生成が可能になり、AIリテイクパネルのデザインを変更いたしました。
- リテイクのフィードバックを送信できるオプションを追加いたしました。
- トラックのカラーを12色の中から変更できるようになりました。
- 選択したノートの歌詞を前方、または後方にシフトすることができるようになりました。
- 1つのノート内で、音節が均等になるように割り当てる機能を追加いたしました。
- AI歌声データベースのピッチの精度、声色の再現度が向上しました。
新機能の詳細については、1.10.0b1及び1.10.0b2ベータ版のリリースノートを参照してください。
今回のアップデートでは、1.10.0ベータ版や1.9.0正式版のユーザーの皆さまから寄せられたフィードバックからいくつかの改善を行っております。特に、MIDIのリアルタイム入力及び再生時にクラッシュが発生する不具合を修正しています。
尚、1.10.0へのアップデートはSynthesizer V Studioのライセンスとアップデートより行なってください。
歌声データベースのアップデート
新機能を十分に活用するために、Synthesizer V Studioエディタと歌声データベースの両方を最新版に更新してください。
Dreamtonics | An Xiao, Cheng Xiao, Cong Zheng, D-Lin, Feng Yi, Kevin, Lin Lai, Mai, Mo Chen, Natalie, Ninezero, Ritchy, Ryo AI, Saki AI, Qing Su, Weina, Xuan Yu, Yuma, Yun Quan |
AHS | 弦巻マキ AI (日本語), 弦巻マキ AI (英語), 京町セイカ AI, ついなちゃん AI, 重音テト AI, 桜乃そら |
AUDIOLOGIE | ANRI(杏里), JUN |
E-Capsule | 夏语遥 |
Eclipsed Sounds | SOLARIA, ASTERIAN |
Quadimension | MEDIUM5・星尘Infinity |
以下の歌声データベースにつきましては、現在パートナー企業との調整を行っております。
詳細が決まり次第お知らせいたします。
AHS (TOKYO6) | 小春六花 AI, 夏色花梨 AI, 花隈千冬 AI |
Animen | エレノアフォルテAI |
詳しいリリースノートは以下をご覧ください。
Synthesizer V Studio 1.10.0 (2023年10月19日)
新機能
- 自動処理:RLHFによりピッチ生成を強化したピッチモデルに対応しました。また、AIリテイクパネルのピッチにおいて補正の程度を調整できる”RLHFによる補正”パラメーターを追加しました。(歌声データベースの更新が必要です)
- トラック:トラックのヘッダを右クリックすることで、右クリックメニューからトラックの色を選択できる機能を追加しました。
- ピアノロール:選択した音符の歌詞を前方、または後方にシフトすることができる機能を追加しました。
- AIリテイク:ユーザーが、AIリテイクの気に入ったテイクにハートマークをつけることによって、ユーザーフィードバックの送信が行えます。
頂いたフィードバックはDreamtonicsへ送信され、今後の歌声データベースのアップデートに役立てさせていただきます。送信される内容はテイク内容とその前後の一部のプロジェクト情報に限られ、本機能は設定パネルより有効/無効を切り替えることができます。 - ノートプロパティパネル: 複数の音節を持つ歌詞が入力されたノートでオプション”ノートを音節で均等に分割”が選択できるようになりました。(1.10.0b1から変更)
機能強化
- Synthesizer V エンジン: 音素の長さ生成の改善、およびAIリテイクの声色テイクで多様なテイクが生成されるような改善を行いました。(歌声データベースの更新が必要です)
- AIリテイクパネル:グローバルの”表現の強弱”と”RLHFによる補正”の値が常に表示されるようにパネルのデザインを変更しました。グローバルの値はトラックおよびグループごとに設定できます。
- プラグイン:AUおよびVST3プラグインにおいてドラッグ&ドロップによるMIDIファイルのインポートに対応しました。
- その他: 中国本土からのアクティベーションサーバーへの接続性を改善しました。
- GUI: ピアノロールの可視化オプションが、十分な表示スペースが無い場合にまとまるようになりました。(1.10.0b1から変更)
動作変更
- AIリテイクパネル: テイク一覧の”表現の強弱”と”RLHFによる補正”のスライダーが相対値から絶対値(グローバルの値と合計した値)を表示するようになりました。
- ファイル:Synthesizer V Studio 1.10.0以降で保存されたプロジェクトは、テイクの”表現の強弱”の値域が変更されたため、互換性がありません。そのため、本バージョン以前のバージョンのSynthesizer V Studio向けにプロジェクトをエクスポートする場合はメニューの”ファイル”に”名前をつけて保存(バージョン1.9.0互換)…” を利用してください。
- GUI: 以前のバージョンのSynthesizer V Studioでプロジェクトを読み込んだ際に”ノートを音節で均等に分割”がデフォルトで無効になるように変更しました。(1.10.0b2から変更)
バグ修正
- Synthesizer V エンジン:前回のアップデートで導入された辞書の変更に起因した歌声データベースのクラッシュおよび品質が低下する不具合を修正しました。
- GUI:macOSでいくつかのキーボードショートカットが正しく表示されていない不具合を修正しました。
- ライブレンダリング: 起動直後にレンダリングを読み込むと、プロジェクトの一部がスキップされる不具合を修正しました。
- 自動処理: ノートグループ内のピッチ計算がピッチカーブで不要な変化が発生する不具合を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- ライブレンダリング: サポートされていない歌声データベースを読み込む際のクラッシュを修正しました。(1.10.0b1から変更)
- 歌詞入力: 日本語のノートにマニュアルで“cl”音素を指定し、”-”を入力したノートを続けると無音になる不具合を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- 歌詞入力: “自然に子音発音を弱める”オプションを使うと手動で指定された音素が上書きされるバグを修正しました。(1.10.0b1から変更)
- プラグイン: Windows上の一部のDAWとの互換性が壊れるバグを修正しました。(1.10.0b1から変更)
- プラグイン: AudioUnitプラグインを使用して特定のDAWからオーディオをバウンスした後に再生が同期されない問題を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- AIリテイク: フィードバックを初めて提出する前のポップアップメッセージの表示位置を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- AIリテイク: OpenGLがオンのとき、”表現の強弱”の値がアイコンと重なる不具合を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- GUI: トラックパネルをピアノロールの下に折りたたんでエディタを終了した際に一部レイアウトが保存されない不具合を修正しました。(1.10.0b1から変更)
- オーディオ: MIDI録音中に再生位置の変更や、素早いキー入力を行った際にクラッシュする不具合を修正しました。(1.10.0b2から変更)
- オーディオ: 再生位置を末尾へ移動する動作を繰り返すとクラッシュする不具合を修正しました。(1.10.0b2から変更)
- GUI: 歌声データベースのインストール中にWin+Dキーでウインドウを最小化すると操作できなくなる不具合を修正しました。(Windowsのみ)(1.10.0b2から変更)
- AIリテイク: 機能をサポートしていないスタンダード版でAIリテイク機能を無効にしました。(1.10.0b2から変更)
- ライセンスとアップデート: “アップデート”、“アクティベート/ディアクティベート”、“ディアクティベートしてアンインストール/アンインストール”ボタンを押しても時々反応しない不具合を修正しました。(1.10.0b2から変更)
- 歌詞入力: 新しいノートグループを作成してすぐに削除すると、場合によりクラッシュする問題を修正しました。(1.10.0b2から変更)
- その他: Synthesizer V Studio 1.10.0以降を必要とする歌声データベースを読み込んだとしてもクラッシュせずに無音が出力されるように変更しました。(1.10.0b2から変更)
- ファイル: ピッチのパラメータの値が正しくないプロジェクトファイルを開いた時にクラッシュする不具合を修正しました。範囲外の値は自動的に削除されます。(1.10.0b2から変更)